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イタリア人と祈り

おかげさまで先週、滞在許可証が発給されました! 昨年9月から7か月間の試行錯誤がやっと実を結んだ感じ。と同時に、これからイタリアで生きていくためのもろもろを、本格的にスタートさせなくてはいけないわけです。

 

最近はここ、ブラッチャーノ周辺の観光資源発掘に努めています。湖とお城だけでなく、ワイナリー、温泉、エトルリア時代の遺跡、アグリツーリズモなど、日本ではまだまだ知られていない場所やものが、ローマ近郊にはたくさんあります。

 

 

ブラッチャーノから車で1時間ほどの場所、チヴィタヴェッキアはローマの外港で、シチリア島やサルディーニャ島、スペインのバルセロナにも定期船があります。私が滞在のための手続きをするには、ここの警察署に出向く必要があるので、何回か訪れました。

 

まったく知らなかったのですが、チヴィタヴェッキアは日本とのつながりが深い町です。

 

伊達正宗が派遣した慶長遣欧使節団の船は、161510月にチヴィタヴェッキアに寄港し、陸路ヴァチカンを目指しました。

Civitavecchia_3

チヴィタヴェッキアの街角にたたずむ支倉常長の銅像。船が出港した石巻市から寄贈されたものだそうです。

 

また、1597年、長崎の西坂の丘で処刑された豊臣秀吉のカトリック弾圧の最初の犠牲者26名が、聖人として祀られている日本聖殉教者教会があります。

この教会では、とても珍しい、着物を着たマリア像を見ることができます。日本人画家、長谷川路可によって描かれたフレスコ画です。

Civitavecchia_2

私が訪ねときは夕方のミサの直前で、フレスコ画に、教会のステンドグラスから入る西日があたっていました。すごくきれいで神々しい。

10人ちょっといた信者はそれぞれの祈りを捧げていて、本当に静かで、キリスト教信者でなくともおごそかな気持ちになります。いつもワイワイ騒がしいイタリア人とは思えぬこの静かな祈りの風景は、なんというか写真を撮るのもはばかられるほど。みんなただ黙って、着物を着たマリア像や、磔にされた日本式の白い死装束姿の殉教者を眺めているだけなんです。1時間ほどずっと…。

 

私も時間だけはたっぷりあるので、その小1時間をそこで一緒に過ごしました。

「祈り」って本当に不思議。そこで祈りを捧げるだけじゃ現実的な幸せは訪れないけど、少なくとも心の平安は得られるわけで、そうして得られた平安は周りの人にも波及して、その相乗効果で巡り巡って幸せな状態が訪れる…みたいな。

 

それなら仏教でもいいわけだし、実際このイタリアには仏教徒がけっこう多く、すでに数名を知っているけれど、朝晩唱えるお経のリズムがいいらしい。言葉としての意味は分からないけど、心が静かになるのだって。いつもアグレッシブな状態でいるのは、イタリア人にとっても実は疲れることなんですかねぇ…。

 

先日、近所のヨガクラスに参加したのだけど、そこでは瞑想するイタリア人がいっぱいいました。辺鄙な場所だったので、帰りは参加者の一人が車に乗せてくれて、道々いろんな話をしましたが、ストレスフルな日々をなんとかやっていけるのは、この週イチのヨガのおかげだそう。ここでは、全身真っ白なスタイルでヨガコースに参加しなくてはいけないのだけれど、それは精神を浄化させるためらしい。欲望にまみれた日常をリセット、生まれ変わってまっさらな新たな自分になりたい、ということでしょうか。

Civitavecchia_1

 食べて歌って恋をして、なんだかいつも能天気で楽しそうなイタリア人だけど、その裏でこうして「静」の時間を持ち心身のバランスを取っているに違いない…そんなふうに考えさせられることの多い、この数か月のイタリア滞在でした。

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