私が尊敬する3人の女性のうちのひとり、作家の桐島洋子さん。彼女とはなんだか縁が深いようで、いろいろなところでいろいろな方から紹介され、今では「会うたびに違うところで違うことをやってる変な女」というふうに認識されています(汗)。でもイタリアで和食をやりたいということに関しては、「イタリアにはろくな和食がないから、いいっ! あなた、おやりなさい」と太鼓判を押してくださってます。
約1年半ぶりの再会も、お嬢さんのノエルさんに用事があって訪ねてのことでした。ノエルさんに指定された場所が「森羅塾」だったのです。これは1年半前に洋子さんと会ったときに、彼女が自分の夢として語っていた、「大人が学ぶためのサロンのようなところを作りたい」という思いを実現させた場所。ちょうど3日後に、その「森羅塾」の最初の講座があるというので参加してみました。

「マザーグースの部屋」と暫定的にネーミングされたこの講座は、洋子さんの人脈を生かして各界で活躍する方を招いてサロン形式でお話をうかがおうというもの。この日のゲストは韓国人の王秀英(わんすよん)さん。彼女は韓国詩で有名な方ですが、日本での著書もあり、『角が立つ韓国人、丸くおさめる日本人』は、メチャクチャ面白いです。この日もさまざまなエピソードを交え、記録しないからこそ話していただける話題にあふれた楽しい講座でした。

『聡明な女は料理がうまい』を著した洋子さんのこと。お勉強でも料理ははずせません。この日はもちろん韓国料理がたくさん出てきて、愛情深い韓国女性の料理にまつわるお話もきくことができました。この「九折(節)板」(クジョルパン)は、韓国では縁起が良いとされている数字の「九」にちなんだ韓国宮廷料理。「十」は「完全」を意味するけど、そこからひとつだけ欠けた「九」が良い数字って、素敵な解釈ですよね。そこには可能性や未来、創造の余地が感じられます。日本だと苦しみの「九」なのに、国が違うと数字の意味までこんなに変わるんですね。


真ん中にある小麦粉のクレープに8種の具を少しずつおいて、くるんで食べます。女性がかいがいしく包み相手の口の中に入れてあげるという、まさに「上げ膳据え膳」状態の料理です。お醤油とお酢をベースにしたタレにつけていただくのですが、モチモチの皮にいろんな具材の味が口中に広がり、何とも豪華な味わい。皮の上にのっている松の実は、重ねた皮がくっつかないように配慮されてのもの。韓国女性の細やかな気遣いを感じます。

このあとはさまざまな韓国家庭料理が出てきて、バイキングスタイルでいただきました。

「揚げた昆布にお砂糖を絡めたもの」。青山の韓国料理屋さんから、どなたかが差し入れされたもの。

「チャプチェ」。春雨を使った炒めもの。こちらもどこからかお取り寄せされたもの。

「キムチ」。いろんな種類のキムチを盛り合わせで。

「海老とニンニクの芽の和えもの」。甘辛味です。食べるときに混ぜていただきます。

「野菜と栗の和えもの」。なんと栗が生のまま入っています。そういえば韓国ではキムチにも生栗を入れますね。ほんのり渋くて、シャキシャキほくほくした歯触りがクセになりそう。

「あんこうとお豆腐のチゲ」。王さん手作り。本場どおりの辛い味付けだそうだけど、私にはまったく問題なし。チゲってしみじみ美味しいですよね。ソウルで朝ごはんに食べたチゲを思い出しました。
しかし、1年半前に語り合った夢を、洋子さんはこんなにも早く実現させちゃってスゴイなぁ…ま、凡人の私と比べられても迷惑でしょうけど、でも洋子さんを見習って、私も「イタリアで和食屋さん」の夢を実現させないとね!と、あらためて気合いが入りました。「森羅塾」は35歳以上の「大人」でしたら、誰にでも門戸を開いています。ご興味ある方はこちらの「森羅塾」ページをまめにチェックしてみてください。次回予定が発表されます。
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